FARE Urushi Products | 現代的な漆のアクセサリー

2020/12/31 18:20


もう2020年も終わるのですね。

なんてこった…!って感じです、本当に。


2019年にはじまったFARE Ureshi Productsですが、昨年は手探りの中色々と商品を生み出して、糸フェスに出店させてもらったり、百貨店の催事に出してもらったり、今まで知らなかった景色を見れてとても新鮮でわくわくしたものです。

1つ、また1つと商品を送り出していく度に、「この人はどういう時にこれを身につけてくれるのかな?」「この人の大切な人は、それを見てどんな反応をするのかな?」とか、いろんな思いを巡らしながら喜びにひたっていました。


しかし、、今年は年明け間も無く新型コロナウイルス騒動。

楽しみにしていた催事も中止。糸フェスも中止。

なんだか目標を失って、その場でうろうろと足踏みしてしまいました。

ネットだけで売るのって、「これに間に合わせるぞ!」っていう明確な目標がないのが辛いんですよね。。


コロナだけでなく、今年は引越しやその後のセルフリノベーション、飼いはじめたわんこのお世話など、個人的なてんやわんやが重なって忙殺される日々が続いていたように思います。

でもまぁ、そういうのも言い訳ですよね、きっと。時間は作ればあるものですから。


2020年、真新しい新作を作れていないのがとっても心残りです。

日々、いろいろ考えているんです。

「こういうのに漆塗ってみたら…?」

「漆でこんな表現できたらかっこいいんじゃない…?」

それを夫と話合うのです。そうすると、とてもわくわくするのです。

でもしかし…!わくわくして終わっちゃうのです。いや、終わるというより、進まないのです!

なぜならば、漆の作業はほんっとうに日進月歩!

うすーく塗って、乾かして、研いで、うすーく塗って、乾かして、研いで…その繰り返しでようやく1面が完成する。そしたらひっくり返してまたもう1面を…って、どんだけ時間かかるんだよー!せっかちな私は見てるだけでむず痒くなっちゃいます。


そうやって、試作がひとつ完成して、そこから問題点を挙げて、修正していくじゃないですか。そしたら、今度は季節が変わっているから試作を作ったときの作り方じゃなかなかうまく乾いてくれなかったりして。なんでかなぁ、気温かな、湿度かな、それとも、漆が古くなっちゃったのかな、など。赤ん坊に「なぜ泣いているのですか」と尋ねるかのようなおっかなびっくりな心持ちでご機嫌をうかがうのです。


せっかちの方は理解してくださると思います。苦しいです、本当に。

でも、それだけ繊細なものなのです。使う漆の種類、濾した日時、塗る面の材質、塗りの厚み、そのときの気温、湿度、本当に無数にある影響分子のひとつひとつを取り出しては念入りに確認して、またもとの場所に戻していくという作業の連続です。

そこまでしてなぜ漆を扱うのか、と思うかもしれません。

その答えはとてもシンプル。

漆がとても優秀な塗料だからです。

熱に強く、酸に強く、割れに強く、接着にも強く、おそろしいほどになめらかで美しい。

作る人は大変だけれども、使う人にはきっと喜ばれるものだと信じているからこそ、私たちは漆を使った商品を作り続けます。


ということで、2021年は年明けてちょっとしたら新作販売開始します!(の予定)

その後もいま色々考えているものをどんどん形にしていきます!(夫が)


では皆様、良いお年をお迎えください。